米国の交通研究所
サンノゼ州立大学にあるミネタ交通研究所
HOVレーン(High Occupancy Vehicle Lane) の活用政策は、サンノゼ州立大学にあるミネタ交通研究所: MTI: Mineta Transportation Institute(左記写真の建物内)の研究報告書『MTI Report 01-11 HOVレーンの活用の最適化のための無料の方法 2001年1月報告』が基礎となっている。
米国には、殆どの州の州立大学に交通研究所がある。数えたことがあるが、50を超える交通研究所があったと記憶している。創立のトレンドは、1960年代に始まり、1970~1980年代に急速に全米で設立された。これは丁度、インターステートハイウェイの伸張と安全性等の交通・輸送上の問題の惹起に対応している様に思われる。これらの交通研究所は、交通の課題に関する業際、学際的な研究を行なう事が可能な様に組織が構築されている。他の国で、例えば、独は、連邦政府の交通研究所がある。また、数は少ないが、独の主要な大学には米国と如何様な交通研究所がある。
日本においては、こうした交通研究所は、道路に関する総合的研究所は国総研、および土木研究所、自動車に関する研究は日本自動車研究所がある。その他は、各大学の各学科毎に研究が行なわれてきている。近年、東京大学駒場にあるITSの研究はこれらを超える業際・学際的なものとして、ユニークな動きである。本来、交通は、巨大業際分野であって、大学の専門学科でやり切れるものではない。交通・輸送やITSに関する業際・学際的研究体制の確立は、日本の大学で、もっと検討されて良いと思われる。
現US DOTのミネタ長官が、下院交通委員会議長をしていた1991年に、ITSを最初に入れ込んだ6年間の陸上総合交通・輸送法:ISTEAを、当時のスキナーDOT長官等と共に成立の運びとした。これは彼の大きな功績と評価される。ミネタ交通研究所は、その立法に際し、創立と研究予算が充当され、サンノゼ州立大学のキャンパス内に創設されたものである。数人の総務スタッフの他は、非常勤の数十人のResearch Associatesから成っているコンパクトな研究所である。ここでは、他の米国に50余りある交通研究所と異なり、政策研究を主とし、技術研究開発などは行なわないユニークな存在である。ここの成果は、度々ミネタ長官の政策となり、彼の演説草稿の中の言葉として引用されている様子である。
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